カツシン!!VAPE(電子タバコ)初心者

VAPE(電子タバコ)とネットのお話。

過度なA/Bテスト、PDCAサイクルの回しすぎはエビルになる可能性とその実例

私自身はマーケティングの専門家ではありませんし、マーケティングについて講義を受けるなど体型だって学んだことがありません。その前提でネット界隈で仕事をする人間が、なぜ過剰なPDCAやA/Bテストが繰り返されてしまうのかについて言及してみたいと思います。

 

グロースハックなんて流行り言葉も本記事での言及に該当する可能性が高いと思います。

 

先日のしっきーさんの記事を見て、思うところがありました。

 

どの業界でもPDCAサイクルやA/Bテスト、カイゼンなど業務効率を改善したり、部分最適化を図ることは善とされていると思います。

 

ただ、しっきーさんが言うように、何だか好きになれないという意見に同意する形であれだけのブクマが集まったことも事実です。

ネットでよく見る漫画のバナー広告が好きになれない - しっきーのブログ

分かる。PDCAやA/Bテストがエビルになる好例かと思う。

2016/07/31 21:38

記事に書いた私のブコメも同意をいただく声がありました。

いつか書きたいと思ったので少し掘り下げてみます。

 

ネット広告のPDCAサイクル例:携帯スマホ漫画

まずは、しっきーさんの言及してたスマホ向け漫画について。

 

この携帯マンガ業界は結構歴史が古く、ガラケー時代から予算をかなり持っている事で知られています。

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図表引用:電子書籍の進化普及による出版業界構造変化へのインパクト|経営研レポート 2013 | NTTデータ経営研究所

2010年ごろまでのフィーチャーフォン(ガラケー)向けの電子書籍のかなりの母数が携帯漫画で占められていたと聞きます。そしてその多くがエロよりだったとされています。彼らの最適化の歴史は10年くらいあります。

 

<現場で行われるPDCAサイクル>

  1. Plan:どの漫画を広告で押すか決め、掲載媒体を選定する
  2. Do:広告バナーを作り、出稿先を調整する
  3. Check:広告効果を測定する
  4. Action:広告バナーの差し替え、掲載漫画の差し替えなどを行う

 

3.のCheckですが、どの程度の目標や指示が出ているかは不明ですが、企業である以上、利益を残すことが必要ですので、クリック率だけでは語ることができません。

 

最終的な登録率、そして中長期では課金率(携帯漫画は月額のポイント配布制、消費しきったら追加ポイント購入)も計測していると思われます。

 

要は「クリック率が良ければOK!!」ではなく、

その先の登録率、そして課金継続率などがPDCAサイクルの過程で加味されます。

 

業界的にはARPU(Average Revenue Per User(アープ)/1ユーザーの平均売上金額)と呼ばれたりします。

 

(ARPU) ー (1ユーザーあたりの平均獲得単価)= 粗利 

 

広告の調整部隊やバナー制作部隊は、このARPUや1ユーザーの獲得単価などの指標が目標に組み込まれていると思います。

 

  1. 広告のクリック率
  2. 広告からの登録率
  3. 登録後の継続率(課金率)

 

1.クリック率がいいほど、クリック単価は下がる傾向があります。

⇒バナーで過激な事を書きたくなったり、微エロなどを取り入れたりします。

携帯漫画会社独自の漫画もあったりしますので、売れそうな訴求に合わせた漫画を作るという編集的な過程も含まれる場合もありえます。

 

2.クリック率だけがよくても登録されなくては無意味です。

広告のマッチングだけでなく、登録フォームの良し悪しなど構造的なものも影響しますが、ここでは一旦スルーします。

 

3.登録後の継続率や課金率はコンテンツが決定づける要素として大きそうです。

掲載先の媒体やユーザー属性に合わせることも広告効果を高めるコツかと思います。

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上記バナーは最近私のスマホに出てきたものですが、個人的な意見ではどこにニーズが有るの?売れるの??と思わないでもないですが、漫画ジャンルによって掲載媒体などを選定していると思います。

  • アダルトサイト:エロ漫画
  • 子育てサイト(?):育児系ネグレト漫画(?)
  • エンタメ系サイト(2chまとめ、週刊誌系サイト):アウトロー系漫画(?)

このような仮定をして掲載媒体を調整したり、ユーザー属性を選定して、1.クリック率・2.登録率・3.課金率を追っていきます。

 

1〜3までを総合的に見ると、彼らが実施しているPDCAサイクルは、一定のニーズを汲んでいる事も事実かと思います。

 

ただ、現場では目標を達成するために、過剰に煽ってしまう傾向が出そうです。そして、AdSense(AdWords)などは厳しいレギュレーションがあるため、ぎりぎりのせめぎあいをしていることでしょう。AdWordsはまだ厳しい方で、その他の広告ネットワークは、予算を持っている会社の意向にレギュレーションが左右されてしまう可能性もあります。

 

本記事のタイトルに記載の通り、木を見て森を見ずの状態でPDCAサイクルを回していくと、ギリギリを攻めていくことになります。そして、どこかの臨界点を超えれば邪悪なところまでたどり着くかと。ただ、この臨界点はどこなのかは個人差があると思います。

※別の見方としては、漫画系サイトは最近でも結構乱立していて、競合が増える⇒アダルトよりな漫画や過去に売れ線だった漫画がきつくなる⇒その他のジャンルを攻めて売上維持をしないといけない。といった負の連鎖もありそうです。

 

その他にもある過剰なグロースハックやPDCAの例

最近の流行り言葉としてグロースハックがあります。

グロースハックとはサービス改善のPDCAを高速で回すといったことに他ならないのですが、サービスの本質的な価値を見つめなおすこともグロースハックの手段として重要だということです。

引用:最近流行りのグロースハックって何? - 電通報

 

  • ソーシャルゲームの課金調整
  • 食べログのアプリ強制誘導、スマホ閲覧時のランキング有料化
  • アットコスメの有料化
  • クックパッドの有料化
  • アフィリエイトの恣意的な誘導
  • 検索連動広告の枠(特にyahooPCの検索広告枠は見分けが付きにくい)

具体的な言及は避けますが、ぱっと思いつくだけでもユーザー目線では微妙なグロースハックやPDCAサイクルの結果が見て取れます。もちろん企業は売上を立てる必要がありますし、サービスの利便性を高めた上でお金を頂戴する必要があります。私自身もアフィリエイトは行っていますので、少し後ろめたい気持ちもあります。

 

余談:はてなブックマークの広告枠

日頃からお世話になってる㈱はてなさんに注文付けるのもアレですが、最新版のiosの広告枠が微妙。

 

前までは、ブックマークアプリの新着エントリー枠は、はてなが直接売るネイティブアド(PR枠)でしたが、アップデート後AdSenseに変わりました。

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こんな広告が出ることも。

以前のように、はてな直売り広告のほうが審査も効いて、いいと思うんだけど…。

直接売るよりも手間がかからず収益率がいいとの判断(PDCAのCheck中かも?)なのかもしれません。

※ 注:復縁したい相手もいませんし、検索したことも無いです汗。念のため……。

 

その他の業界だって過剰なPDCAサイクルによる影響はありえる

ここまではネット業界系の粗ばかりでした。「これだからネット企業は!」という意見も聞こえてきそうです……。

 

ただ、「様々なカイゼン施策(PDCAサイクルを回すなど)」と「正しい商売」は利益相反することが多いように思われます。

 

他業種に目を移してみましょう。

 

  • 飲食店の従業員酷使
  • 製造原価を抑えるために安価で粗悪な素材を使う
  • 食品偽装や廃棄品の再利用

※あくまで例で、邪悪なPDCAサイクルがありうるという意味合いなので極論かも…。

 

どれも企業目線では、売上や利益の拡大に寄与します。

 

結論:カイゼンの肝はモラルとの戦い

  • どの業界でも過度なPDCAサイクルの影響はありえる(木を見て森を見ず状態)
  • ネットは他業種と比較して、改善の手間が少ないため、過剰になりやすい
  • 行き過ぎた過剰な施策は、いずれユーザーの離反を招く

 

最終的な歯止めとなるのは、企業の倫理観としか言えないように思います。

生き残るためには売上は必須です。VCから投資を受けている新興ベンチャー企業であっても目標となるKPIをクリアしなければ次は無いでしょう。PDCAサイクル、カイゼン、A/Bテスト、グロースハック、どれをとってもモラルハザードとの戦いが生じます。

 

何をして稼ぐのか、どのように世の中と向き合っていくのかという会社としての命題だけが歯止めをかけうるのではないでしょうか?ネット企業や事業年数の余り経ていない企業は得てしてモラルハザードを起こしてしまいがちです。

 

余談ですが、個人的にはグロースハックなど流行り言葉があまり好きじゃありません。言葉尻だけ捉えてしまうと、成長させることだけに目が行きがちになり、表題のようにエビルっぽくなってしまっている人やサービスが結構あるのでは?と思うからです。

 

余り見たくない広告バナーをどうするかの解がないですって??

私はあんまり気にしませんが、どうしても気になる方は、ブコメにもあったようにアドブロックを入れるしか無いかもですね…。ユーザーの選択による良識が勝つのか、商売目線重視の最適化が勝つのか。携帯漫画業界は、Comicoなどの無料漫画アプリ・サイト、Kindle Unlimitedなど、よりユーザーフレンドリーなサービスの影響で徐々に自然淘汰されていくのでは?とも思っています。

 

しっきーさんが言及していた、目利きやキュレーションの役割を果たしていた出版文化は形態を変えねば残れないように感じます。Comicoなどの無料漫画の出口(売上獲得)は、実出版であったりメディアミックスなどであり、もちろん出版における編集的要素は残りますが、ユーザーの人気をベースにしたキュレーションの方が重きを置かれる世界になっていくのだと思います。)